七五三、ママだって主役でいい。子供より目立ってはいけない?


七五三の撮影についてよく言われることがあります。
「子供が主役だから、親は子供より目立たない方がいい」
もちろん、その気持ちはわかります。我が子が晴れ着を着て、可愛らしく凛々しく並ぶ。その姿が一番輝いてほしい。そう思うのは、親として当然のことだと思います。
でも、ちょっと待って。
ママは、すでにたくさんのものを手放してきた
子供が生まれてから、ママの「好き」はどれだけ変わったでしょう。
ずっと好きだった大ぶりのピアス。子供に引っ張られて痛い思いをして、いつのまにか小さなスタッドに変わった。
タイトスカートだって同じ。子供を自転車に乗せるには動きやすくないと。いつしかパンツスタイルが当たり前になった。
白い服は、抱っこするたびに食べかすや泥で汚れるから。黒や濃い色ばかり選ぶようになった。
ヒールは、公園で走り回る我が子を追いかけられないから、スニーカーに。
ショルダーバッグは、両手が空くようにリュックに。
好きだったものを、少しずつ、でも確実に手放しながら、ママは子供のために「動きやすさ」「汚れにくさ」「安全さ」を選び続けてきた。
それって、すごいことだと思うんです。
だから、七五三の日ぐらい。
七五三の撮影は、年に一度の、子供の成長を祝う特別な日。
でも私は思うんです。その日こそ、ママが一番きれいに写真に残る日にしてほしいと。
「子供より目立ってはいけない」という言葉が頭をよぎるかもしれない。でも考えてみてください。この日まで、ママはずっと我慢してきた。自分の「好き」より、子供の「安心」を選んできた。
だから、この晴れの日ぐらい、ママが主役でいい。
ずっと着たかった着物を。お気に入りの一着を。思い切り好きなものを選んでいい。
子供の隣で輝くママの姿も、間違いなく家族の宝物になるから。

七五三で私が大切にしていること
七五三の目的は、お子さんの成長を記録に残すこと、神社でその成長を報告すること、そして家族でお祝いすること。
でも私がカメラマンとして一番大切にしているのは、ママとパパが穏やかな表情でお子さんを見つめる姿を残すことです。
子供の笑顔を引き出すことはもちろん大切。でも、その子を愛おしそうに見つめる親の表情——それこそが、何十年後に写真を開いたときに「あの日の家族」を一番鮮明に思い出させてくれるものだと思っています。
お子さんが可愛いポーズをしている写真の隣に、ふとした瞬間にパパとママが目を細めて子供を見ている写真がある。そういう写真が、家族の宝物になっていきます。
だから撮影の日は、「ちゃんと笑って!」「こっち向いて!」と気を張らなくていい。ただ、我が子をいつも通りに愛おしく見てあげてください。 その表情を、私が逃さず撮ります。
写真の中に、ママの「好き」を残してほしい
何十年後か、この写真を見たとき。子供が大人になって「ママ、この日すごくきれいだったね」と言ってくれる日が来るかもしれない。
そのとき、「ママも思い切り好きな服を着たんだよ」と話せたら、どんなに素敵でしょう。
七五三の日、子供の笑顔と一緒に、ママの輝きも、パパとママの穏やかなまなざしも、写真に残してください。
それが、私たちが一番大切にしたいことです。